LANとWANでネットワークが作られる
ネットワークを勉強しようとすると、たくさんの機器が多様に繋がっているので、とても複雑そうに感じるかもしれません。近年ではさらに、インターネットの発展でより複雑そうなネットワークが構築されているので、イメージすることすらままならない、それがネットワーク初学者を苦しめる技術の弊害です。
ですが、それはあくまで「複雑そう」に見えているだけです。ネットワークは大きく分けて、三つのかたちしかとりません。それがLANとWAN、時々PANです。PANは全く主役ではないので、今回は説明を省きますが、名前だけは憶えてあげてください。
※他にもBANやMANなどありますが、正直覚えなくていいです。
具体的には、コンピュータ(ノートパソコンやサーバなど)をはじめとする様々な機器が繋がり、情報を送り合う範囲がLANです。そして、そのLANを繋げるのがWANです。ネットワークはこのように簡単に二分化できます。
LANの説明(無線LANと有線LAN)
まず、LAN(Local Area Network)の範囲を理解しましょう。
会社や自宅、学校やカフェなど、様々な環境でノートPCを使う機会があると思います。おそらく、インターネットに接続するためにWiFiにに繋げる、という意識を持つ方が多いのではないでしょうか。もしくは、デスクトップ型のPCを使っている方は固定回線を繋いでいるのではないでしょうか。
前者は無線として、後者は有線として通信が用いられている例です。この二つの通信形態を無線LANと有線LANと言います。
- 無線LAN:通信機器間の接続に電波が用いられる
- 有線LAN:通信機器間の接続にケーブルが用いられる
無線LANも有線LANも物理的な接続方式が異なるだけで、根本的には変わりまりません。接続する先はどちらも「スイッチ」と呼ばれるものになります。(正確にはブリッジ、ルータなど細分化される)
会社や自宅、学校やカフェなどの場所にある通信機器は、スイッチを中心にして通信を行います。このように、スイッチを拠点として他の通信機器がそれぞれ接続された範囲=LANの範囲(無線、もしくは有線の)となります。
大企業、大学などで大勢の人がネットワークに繋がる場合、上記のようなLANの範囲が複数存在します。
WANの範囲
先述した通り、WAN(Wide Area Network)とはLANとLANが接続されるエリアの事です。
LANはローカルネットワークと呼ばれ、LANの範囲だけではインターネットの世界(世界中で共有された情報)にアクセスできません。インターネットへ通信するためにはISPを経由しなければなりません。
ISP(インターネットサービスプロバイダ)はLANとLANを結ぶ、インターネットエクスチェンジと呼ばれる仲介業者のことです。自宅でインターネット環境を構築したことがある人は聞き覚えがあるかもしれません。
ISPが提供する回線網によって、それぞれのLANはインターネットに繋がります。電話線や同軸ケーブル、光ケーブルなどが良い例です。
そのため、広く言うとWAN=インターネットと捉えることができます。
LANとWANにおける通信の区分
LANで使用する接続方式として、無線LANと有線LANが出てきましたが、物理的な媒介として高周波数の電波と電気ケーブルが使用されています。
- 無線LAN:WiFi(2.4GHz帯 / 5GHzなどの電波)が主に使われている。
- 無線LAN:LANケーブル(イーサネット)が主に使われている。
※WiFiとは、WiFiアライアンスが定めた規格ことですが、世に広まり過ぎて無線LAN=WiFiとなっています。
WANでの接続方式の使用区分も、LANと同じで無線と有線に分けられます。
- 無線WAN:通信衛星など。
- 無線LAN:光ケーブル、海底ケーブルなど。
まとめ
ネットワークを学ぶ上で、イメージを持つことが理解の大きな助けとなります。
ここでは、複雑かつ広大なネットワークを二つのエリア(領域)に分けることができると述べました。小さな範囲のLANと、それらが繋がる大きなWAN。このようにネットワークにはグラデーションが存在するのです。